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おとなの社会科見学vol.1「橋のない川」を追って--住井すゑの家・「大地のえくぼ」牛久保に行く--
おとなの社会科見学vol.2
松代大本営と無言館を訪ねる

 
戦争末期、軍部が本土決戦時の指揮中枢を守るために作った「松代大本営」、出征のために画業半ばで絵筆をおかざるを得なかった戦没画学生たちの作品を展示する美術館「無言館」を訪ねました。
戦争の愚かさ、いたましさを実感し、平和な世界をつくるためのチカラにしよう。



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参加定員: 8名

■プログラム
1日目:会員の大出良知先生(九州大学)の駒ヶ根別荘にて、先生の手料理で乾杯、辰野事件をからめて日本の冤罪事件について話を聞く。


■2日目:ガイドの原山さんとともに、松代大本営を見学(象山地下壕、仮皇居、5号舎(宮内省)、舞鶴山地下壕(入口のみ))。その後、無言館を見学。


松代大本営の施設等配置図(左)、手作りの資料で熱心に説明してくれる原山さん(右)


象山地下壕入り口付近に立つ「朝鮮人犠牲者追悼平和祈念碑」


象山地下壕への入り口。


後ろに見えるのが仮皇居(左)、舞鶴山地下壕を降りてゆく(右)


無言館


■参加者の感想
●象山地下壕は予想をはるかに越える大規模なものでした。
入口こそ少し狭いものの、当時の規格でつくられた場所は幅5〜6m、高さ3mほどもあり、反対側の出口はずっと遠くに豆粒大に見えるだけです。
公開されているのは約500mでごく一部分ですが、できれば他の部分ももっと見てみたいと思いました。
案内してくださった原山さんは、手作りの資料をいっぱい抱えて熱心に説明してくださり、私たち8人のグループがいつしか十数人に膨れ上がっていたのもこの原山さんの熱意のなせる業でしょう。
岩壁に残されているというハングルの地名からは、朝鮮半島から連行されてきた労働者たちの故郷への切ない思いが伝わってきます。工事の犠牲になりお骨になっても故郷に帰れるのは極めてまれだったとか。郷里の空を見ることなく異郷の土石の下に果ててどんなにか無念だったことでしょう・・・。
掘った土石は壕の外へ運び出したものの、「この工事は敵には絶対悟られてはならない。」という至上命題のためこのままさらすわけにはいかないと、近隣の学童を総動員して木の枝で隠させたという話には、あまりの無計画ぶりに唖然としました。
さまざまな人の思いを押し込め、また犠牲を投じて、絶対的秘密裏に進めたはずのこの世紀の一大突貫工事ですが、使われることも犠牲が報われることもなく、一方では利権にあずかった業者があり、あまつさえ実はアメリカ軍の知るところであったという事実!! 現在の私がこれを思うと、なんだかドタバタ喜劇として描けるのではないかとも感じてしまうほどです。
これを真剣に遂行しなければならなかった時代は、また、ものが言えなかった時代ではなかったでしょうか。案内してくださった原山さんが、「現在の日本は2.26事件の頃を思わせる」とおっしゃっていたのが印象に残りました。
K崎(会員)


●松代大本営の壕を見学して感じたのは、なぜそうまでして頑張る必要があったのかということ。戦争は、人間の冷静な判断力を奪うものだということを実感しました。非常に印象的な体験でした。
仮皇居跡の建物の外観は古く、外壁のコンクリートもところどころ平らでない箇所があると説明がありましたが、日本の国立大学でもそんなところがあるんじゃないかな?
M・D


●松代大本営への訪問は2回目だったが、今回も結構見学者がいた。我々がガイドしていただいた原山さんの説明には多くの人が群がった。松代大本営は日本の戦争の経過と日本社会の問題点を学ぶ上で重要なところだと、あらためて感じた。それを保存し、語り継いでいる原山さんの活動と引き続き連携していきたい。
無言館では戦争によって美術への志を絶たれた若者達の無念さをまざまざと感じさせられた。平和と自由について考えさせられる機会になった。
O(会員)


●東京から200km以上離れた松代に大本営や皇居,政府機関を移動してまで戦争を継続できると考えていたところに狂気の沙汰が見えてくる.残念だったのは,現時点では見学可能な範囲が非常に限られていたこと.政府機関などが入る予 定だった象山地区は全長6kmのうち500m程度,大本営や天皇の居室が予定されていた舞鶴地区も外側と地下道の入口付近のみだった.現在の内部の詳細な記録映像,あるいや工事や「完成予定状態」の映像があると,より伝わってくるものがあると思う.
T橋(会員)


●Place to visit 訪ねるべき場所 R・T
松代記念資料館は日本の戦中の様相をとてもよく展示していました。ここでは訪れた人たちがナマの情報に直接触れて歴史を体感することが出来るうえ、更に興味深いことに第二次大戦に従事した方によって案内をしてもらうことも出来ます。 そのガイドの方が自身の経験に基づいてこの大本営の歴史を説明しようとしているということに私はとても感心し、彼がこうして平和擁護のために努力をしているのは素晴らしいと思いました。
終戦前に利用されるはずだった地下壕は難しい戦況の中建設されたそうです。多くの一般人の犠牲が払われたといいます。山の下に地下壕を掘るというのは困難な作業でした。建設に携わった人々は心身ともにとても疲弊したということで、彼らの痛みを思うと耐えられない気持ちになります。
松代資料館は我々に多くのことを教えてくれました。戦時下では一般の人々は異議を唱えることなど出来なかったのです。なぜなら国民一致で戦争に賛同することが当然とされ、軍部維持のための地下壕建設に疑問を投げかけることなど到底出来なかったのでしょう。ここは本や映像を見る以上に多くのことを教えてくれます。さらに若い世代の人々が戦時下の日本がどうだったかを体感することが出来る貴重な場所です。
最後に、今回ここを訪れたことで、どんなに強固な地下壕があったからといって平和が永続するわけではないという事を教わりました。

Matsushiro memorial centre is one of the best Japanese wartime exhibits. It is also a place where people can learn more about history from first hand information sources about the wartime situation in Japan. It is also interesting place because the guide who explained about the memorial centre in Matsushiro was a person who participated the Second World War.
I was really impressed by the guide who tried to explain how the war was from his personal experiences. And it is really to be appreciated his effort advocate for peace.
The underground shelter, which was supposed to be used during the war, was constructed in a difficult situation. And innocent people have paid huge sacrifices. To construct the shelter at the basement of a mountain is a difficult task. Those who participated in the construction of the shelter suffered enormously. And I think that their pain was unbearable.
The memorial centre teaches us that, in wartime, people cannot have any right to question any one with regard to peace, because everyone is supposed to support the war and no one can ask that peace could be found under the shelter. The centre can tell us many facts about the war more than books or movies. It is the real historical place where the younger generation can see how the wartime Japan seemed to be like.
Finally I can say that the Matsushiro memorial centre can show us that peace cannot found under a strong bunker.


■この目で見ること、その地に立つこと、肌で感じること。
このツアーでは、さまざまな「現場」を訪れて、時代背景の解説やその場の声を聞き、それぞれが思い思いのやり方で、何か「おみやげ」を持って帰ることができたらと思います。
ほんの小さな想像力は、しばしば大きな創造力となって、物事を変える原動力になるからです。

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