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小泉首相の靖国参拝についてのイギリスでの報道
2006年8月17日
 
A・Mさん(イギリス留学中)からBBCの報道を紹介していただき、それを訳していただきましたので、ご紹介します。

小泉首相の靖国神社参拝はBBCでも大きく取り上げられており、 「BBC Daily e-mail」の中で、「世界」と「アジア」のニュース各欄で、 3つしかないトップニュースの一つとして取り上げられていました。

小泉の靖国神社参拝 怒りを喚起

日本の小泉純一郎首相は、強い反対にも関わらず、問題となっている東京の戦争神社に参拝した。
靖国神社には2千5百万人の戦死者が祀られ、うち14名は1948年の戦争法廷で有罪とされている。
小泉氏の首相としての靖国神社参拝は今回が6度目だが、日本の終戦記念日にあたる8月15日の参拝は今回が初めてとなる。
中国は、小泉氏の参拝はアジアの戦争犠牲者に不快感を与えるものだとした。韓国も同様に「深い失望」を表明している。
多くの日本近隣諸国は、靖国神社は日本の軍国主義的過去を賛美するものであり、国家の指導者による参拝は、日本がいまだに過去の惨事にきちんと向き合っていないことを示していると考えている。
しかし、小泉氏(来月退任予定)は、自らの参拝を、「私があそこに行くのは、過去の戦争を思い出し、考えるためであり、決して二度と戦争をしないという思いを新たにするためである。」と言って擁護している。
また、「私は、過去の戦争を正当化するためや軍国主義を賛美するために行くのではない。」としている。

傷ついた思い

BBCの東京特派員、クリス・ホッグによると、参詣は公の行事ではなかったはずであった。
今回の訪問は、小泉氏の前回の訪問より長く凝ったものであった。
首相は、靖国神社にリムジンで乗りつけ、伝統的な衣装をまとった宮司の後について歩いていった。
小泉氏は、約10分を神社内で過ごし、白い菊の花を手向け、首相として記帳した。
軍服を着た右翼活動家数人を含む靖国神社の支持者は、小泉氏が歩き去ると日本の国旗を振った。
しかし、それ以外の日本人は参拝に対してさほど好意的ではなかった。日曜日、1000人以上の人々が、このような参拝に反対して東京でデモ行進を行い、他方で夜通しキャンドルデモも行われた。
小泉氏は同様に日本の近隣諸国からの厳しい批判にもさらされている。これらの諸国は、靖国神社へのこれ以上の参拝は、すでにこれまでの参拝と他の不合意によってすりきれている国家間の関係を更に損なうものであると警告していた。
「今回のことは、第二次世界大戦中に日本の軍国主義の犠牲となった人々の心情を著しく傷つけるものだ」と、中国外務省は自らのウェブサイトで語った。
中国外務省は、今回の参拝は、「中日間の政治的な基盤を傷つけるものである」との声明を発表している。
韓国の外務省は、参拝に対して、「深い失望と憤り」を表明している。
ロイター通信は、「日本の首相の靖国神社参拝は、韓国の政府と国民対して全く無礼な態度である」と、韓国の潘基文外務大臣の声明を伝えている。
韓国と中国の両国は、前回10月の参拝以来、小泉氏との会談を停止している。
しかし、小泉首相はこれらの批判には耳をかさず、記者団に対し、自らの参拝を「適切」であると語っている。
靖国神社へ参拝後、小泉氏は、全国戦没者追悼式に出席するため天皇明仁と合流し、第二次世界大戦の犠牲者に対して謝罪した。
「我が国は、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大な損害と苦痛を与えました」と、小泉氏は追悼式で述べた。
「国民を代表して、深い反省とともに、犠牲となった方々に謹んで哀悼の意を表します。」

今後の参拝?

小泉氏は、5年前に首相に就任して以来5年間毎年靖国神社に参拝してきた。しかし、小泉氏はこれまで非常に象徴的な日である8月15日には参拝してこなかった。
特派員によると、火曜日の参拝は、終戦記念日を祝うために靖国神社に参拝するという、5年前の総裁選の公約を果たすためのものであった。
今回は、来月退任する小泉氏がこの公約を果たす最後の機会であった。
今後注目されるのは、小泉氏の後任者が靖国神社に参拝するか否かである。
最有力候補の官房長官安倍晋三は、そのことについて言及することを避けているが、彼は過去に参拝している。
主要なライバルである谷垣禎一は参拝を否定、同じくライバルである外務大臣の麻生太郎もまた参拝に反対していると見られている。

靖国神社問題に対する社会的関心は高まっており、最近の世論調査は、日本人の半分以上が首相に靖国神社を参詣してほしくないと思っていることを示している。

Koizumi shrine visit stokes anger (2006年8月15日)

 
 

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